シリーズ第2回では、男性のがん「前立腺がん」について触れましたが、今回は女性のがん「乳がん」についてです。
乳がんも前立腺がん同様、ホルモン依存性のがんです。乳がんのリスクが高い女性は、初潮年齢が早い、出産経験がない、閉経年齢が遅いなどの傾向があることが疫学調査からわかっています(厚生労働省研究班調査2007年2月21日、主任研究者=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長、約5万5000人対象)。つまり、女性ホルモンの分泌期間が長いと発症しやすくなるということになります。一方、更年期障害の治療のためのホルモン補充療法は、乳がんリスクを上げず、むしろ下げることが厚生労働省研究班(主任研究者=佐伯俊昭・埼玉医科大教授)の調査で証明されています。
ホルモンバランスが崩れかけるお年頃が、乳がん発症の適齢期といわれています。
「乳がんの早期発見のためマンモグラフィ検査を受けましょう」という言葉もよく聞きます。また、自己触診で見つかることもあります。しこり(※注)は、わきの下のリンパ腺のあたりの乳房にみられたりします。毎年、母の日のある5月、ピンクリボン運動の行われる10月に大々的な全国キャンペーンが張られています。乳がんは、早期発見であれば治るがん。それくらいまで乳がんの診断技術と治療技術は進んでいます。
しかし、がん細胞もおとなしくばかりはしていません。がんは血管やリンパ管を介して増殖するという性格の持ち主。ときには、がん細胞自らが新しい血管を作りはじめるということもあります。これを、血管新生と呼びます。
ザクロに含まれる植物由来物質が、この血管新生に対して化学予防作用を持ち、乳がん細胞の拡がりを抑える、つまり血管新生阻害作用をもつことが期待されています *1)。
乳がんには、抗癌剤やホルモン療法剤など多くの治療薬が開発され、また、手術療法、放射線療法といった選択の幅も広いことから、もし罹ってしまったとしても怖がることはありません。ただ、大切な乳房をきれいに残しておきたいというのは、女性の切なる願い。そのためにも早期発見を心掛け、乳房温存という選択肢を選べるようにしたいものです。
ザクロは、あなたの艶やかさを保つだけでなく、大切なパートナーの健康を気づかい、そして、あなた自身の健康も気づかう「健美果物」なのです。
健やかに、そして美しく……を心がける人には、ザクロジュースをおすすめします。
シリーズ第4回は、乳房の健康と美を考える、ザクロのチカラでした。
(※注)乳がんは5mm~1cmぐらいの大きさになると、注意深く触ることにより、自分でもしこりとしてわかることがあります。しこりのすべてが乳がんであるというわけではありません。また、しこりとして触れづらい乳がんもあります。
注意事項
※乳がん検診等で異常を指摘された方は、外科あるいは乳腺専門医の適切な指導を受けてください。
※薬物療法と同じ治療効果を期待するものではありません。
参考文献
1) Toi M., et al, Preliminary studies on the anti-angiogenic potential of pomegranate fractions in vitro and in vivo. Angiogenesis. 2003; 6(2): 121-128
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