透き通るように白い美しい肌……、女性の永遠のテーマです。美白を謳う化粧品は、薬局・薬店のメインの棚を飾っています。
きっと耳にしたことはあるのでは? 美白成分「エラグ酸」。この成分を含むのが、ザクロです。エラグ酸の美白作用は、美白成分として有名なアルブチンの約100倍と言われます。さらに、ザクロは美容に欠かせないビタミンCや肌粘膜の健康を保つビタミンBを豊富に含む果実としても知られています。化粧品にザクロが重用される理由が、ここにあるわけです。
ザクロは、もはや果物屋さんや八百屋さんのものだけでなくなり、ドラッグストアにも欠かせないものになりました。つまり、ザクロは、あなたの健康を気づかい、さらにあなたを美しく保つ「健美果物」なのです。
さて、気になる肌トラブルと言えば、くすみや、シミ、ソバカスに代表される色素沈着でしょう。過度の紫外線を浴びると、肌はメラノサイトという細胞からチロシナーゼという酵素を放出し、大量の黒褐色色素「メラニン色素」を作り出します。このメラニン色素が肌本来の機能である新陳代謝で排出し切れずに皮膚内部に残存してしまうと、くすみやシミ、ソバカスの原因となります。
エラグ酸は、メラニン色素を作り出す司令塔「チロシナーゼ」の働きを抑えます。そして、肌を白く美しく維持します。皮膚内部でのこういうメカニズムから、ザクロに含まれる植物由来ポリフェノールのひとつ、エラグ酸が美白成分と位置付けられることになりました。
肌の機能の衰えは、20代を過ぎたころから始まります。皮膚をつくっている細胞の生まれ変わり(ターンオーバー)が遅れてきたり、皮脂の産生量の減少、皮膚そのもののバリア機能の低下、水分保持機能の衰えなど、年とともに肌は老化していく運命にあります。
肌の老化を「自然老化」と「光老化」と呼ぶ場合があります。紫外線は、肌の老化にもっとも関係する外的環境物質です。でも、普通に生活していれば、紫外線を完全に避けることはできません。やはり、肌の積極的なお手入れは必須です。
肌を白く、そして美しく維持したい……を心がける人には、ザクロジュースをおすすめします。
シリーズ第5回は、肌健康を考える、ザクロのチカラでした。
注意事項
※日々のスキンケアで皮膚に異常があらわれた方は、皮膚科専門医の適切な指導を受けてください。
※薬物療法と同じ治療効果や、化粧品・医薬部外品と同等の美白効果を期待するものではありません。
参考文献
1) 花田勝美, しみ、美白について-しみとスキンフォトタイプおよび美白剤とレーザー治療. 太陽紫外線防御研究委員会学術報告. 1999; 第9巻第1号
2) 紫外線保健指導マニュアル(環境省 平成16年4月)